
冬の寒さがいよいよ本気を出してくる頃。朝、布団から出るのに「気合い」が必要になったり、手がかじかんでスマホの指紋認証が通りにくくなったり…。そんな「冬の底」を感じる時期が、二十四節気の大寒(だいかん)です。
大寒という言葉はよく耳にするけど、「結局いつ?」「何を意味してるの?」「昔の人はどう過ごしてたの?」と聞かれると、意外と説明がむずかしいもの。この記事では、大寒の基本から、文化・暮らしとの関わり、体調管理のコツまで、じっくり深掘りしていきます。

大寒(だいかん)って何?二十四節気の“冬の最終章”
大寒は、昔から日本で使われてきた季節の暦「二十四節気(にじゅうしせっき)」のひとつ。二十四節気は、1年を約15日ごとに区切って季節の流れを表したもので、農作業の目安や、暮らしの知恵としても大切にされてきました。
その中で大寒は、冬の最後の節気。
順番で言うと、冬はこんな流れです。
- 立冬(りっとう)…冬の始まり
- 小雪(しょうせつ)…山に雪がちらつく頃
- 大雪(たいせつ)…本格的に雪が増える頃
- 冬至(とうじ)…夜がいちばん長い
- 小寒(しょうかん)…寒さが強まり始める(寒の入り)
- 大寒(だいかん)…寒さのピーク(冬の締めくくり)
つまり大寒は、冬のクライマックス。
「大=大きい」「寒=寒さ」で、文字通り“いちばん寒さが厳しい頃”を表しています。
大寒はいつ?だいたい1月20日ごろから
大寒は毎年だいたい 1月20日ごろに始まり、次の節気(立春)までの約15日間を指します。
年によって1日くらい前後しますが、「1月下旬は大寒」と覚えておけばOK。
この時期って、お正月ムードが落ち着いて、現実が戻ってきて、さらに寒さが重なるので、体感的にも「一番きつい…」ってなりやすいんですよね。
だからこそ昔の人は、大寒をただの“寒い時期”としてではなく、暮らしを整える節目として意識していました。
「寒の内(かんのうち)」って何?小寒から大寒までの考え方
大寒の話でよく出てくるのが「寒の内(かんのうち)」という言葉。
これは、小寒〜大寒(立春の前日まで)をまとめて呼ぶ言い方で、一年で最も寒い期間のことです。
- 小寒:寒さが始まる(寒の入り)
- 大寒:寒さのピーク
- 立春:暦の上で春(寒の明け)
現代の感覚だと「立春?まだ寒いじゃん!」ってなりますよね。
でも二十四節気は“気温そのもの”よりも、“季節の流れの節目”を示すもの。冬が極まると、少しずつ春へ向かう…その転換点を、昔の人は暦でつかんでいたわけです。
大寒は「春の準備期間」でもある。冬のピーク=転換点
大寒って、名前だけ見ると「ひたすら寒い苦行期間」みたいに感じます。
でも実は、大寒は春の準備が始まる合図でもあります。
寒さが極まると、あとは上がるだけ。
日が少しずつ長くなっているのも実感しやすい頃ですし、地域によっては、雪の下で植物が芽吹く準備をしていたり、鳥の鳴き方が微妙に変わってきたりします。
私は冬が苦手なタイプなんですが、大寒の頃って「もうすぐ春が来る…!」という希望が、ほんの少し見えるんですよね。
だからこそ大寒は、ただ耐えるだけじゃなく、暮らしを整えて、次の季節に備える時期として捉えると、ちょっと気持ちが楽になります。
大寒の風習・ならわし:昔の人はこう過ごした
大寒の時期には、寒さを活かした文化や生活の知恵がたくさんあります。全部やる必要はないけれど、「へぇ~」と知っているだけで、季節の感じ方が変わります。
寒仕込み(かんじこみ):味噌・醤油・酒を仕込む
寒い時期は雑菌が繁殖しにくいので、昔から味噌・醤油・日本酒などの発酵食品を仕込むのに向いているとされてきました。
発酵は温度管理が難しいイメージがありますが、低温のほうがじっくり育つ菌もいて、味が安定しやすいとも言われます。
「寒仕込み味噌」とか、スーパーでも見かけますよね。大寒は、そういう“発酵の季節”でもあるんです。
寒稽古(かんげいこ):心と体を鍛える
武道やスポーツでよく聞くのが寒稽古。寒さの厳しい時期にあえて稽古することで、精神力や体力を鍛えるという考え方です。
現代でも、部活や道場で「寒稽古」があるところも多いはず。
ただ、無理は禁物。根性よりも、今は安全第一で…!
寒中見舞い:相手を気づかう季節のあいさつ
年賀状の代わりに送ることが増えている「寒中見舞い」。
これは「寒の内」の時期に送る季節の挨拶で、相手の体調を気づかう意味合いが強いんです。
大寒はまさに“寒さのピーク”。「元気にしてる?」って一言が、いつもより沁みる季節かもしれません。
大寒の食べ物:体を守る“冬のごはん”が最強
大寒の頃は、冷え・乾燥・自律神経の乱れが出やすい時期。
だから食事は「気合い」よりも「整える」が大事です。
温める:汁物・鍋・根菜
- 味噌汁、豚汁、けんちん汁
- 鍋(野菜たっぷり)
- 大根、にんじん、ごぼう、れんこん、長ねぎ
根菜は体を温めるイメージが強いし、噛む回数も増えて満足感が出やすい。冬の主役ですね。
補う:たんぱく質(魚・卵・豆腐)
冷えると体力も落ちやすいので、たんぱく質は意識したいところ。
「鍋+豆腐+卵」みたいな簡単構成でも、体の回復力が変わってきます。
うるおす:乾燥対策に“水分+油”
冬は喉や肌が乾燥しやすいので、こまめな水分はもちろん、適度な油(ナッツ・魚・オリーブオイルなど)も味方になります。
大寒の過ごし方:寒さに負けない暮らしのコツ
ここからは、実際に生活に落とし込める「大寒の乗り切り方」をまとめます。
難しいことはしなくてOK。小さく整えるだけで、体も心もかなり楽になります。
朝いちの「首・手首・足首」を守る
冷えやすい“三つの首”は最優先。
マフラーやレッグウォーマー、手首の出ない服だけでも体感が変わります。
お風呂は“短時間でも湯船”
シャワーだけだと芯が冷えたままになりやすいので、10分でも湯船に浸かるのがおすすめ。
湯冷めしやすい人は、出たあとに靴下や羽織りで温度をキープ。
「頑張る日」を減らす
大寒は、体が防御モードに入りやすい季節。
だから「いつも通り頑張る」を続けると、ある日ガクッときます。
予定を詰めすぎず、休む日を先に確保しておくのが、実は一番の冬対策。
部屋の乾燥をなめない
暖房を使うと湿度が下がり、喉や肌がやられます。
加湿器がなければ、濡れタオルを干すだけでも効果あり。
喉が弱い人は、特に大寒の時期は意識しておくと安心です。
大寒は「整える節目」。冬の終わりを気持ちよく迎えるために
大寒は、一年でいちばん寒い時期。
でも見方を変えると、冬の終わりが見えてくる時期でもあります。
寒いと、どうしても気持ちが縮こまりがち。
「寒いから何もできない…」って思う日があっても、それは怠けじゃなくて、季節の自然な流れなんですよね。
大寒の過ごし方で大事なのは、
無理に元気を出すことじゃなくて、
体を守り、暮らしを整え、春に向けて少しずつ準備すること。
温かい汁物を作る。湯船に浸かる。首を冷やさない。予定を詰めすぎない。
そんな小さな工夫で、大寒は「しんどい冬」から「季節を感じる冬」に変わります。
今年の大寒、あなたの暮らしが少しでもラクになりますように。



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